親なら誰しも「うちの子は天才であってもほしい」と親バカな思いを持ったことがあるはずです。
テレビでは天才を育てた子育て法、遊んでいた知育玩具などが度々紹介され、みんなこぞって真似をします。
しかし、本当にその方法であなたの子供は天才になるのでしょうか?もしかしたらという希望を持っている程度で、誰しも100%信じてはいないでしょう。
天才とは生まれ持ったものなのでしょうか?後から得るものなのでしょうか?
目次
天才とは
「天才」というと一般的に、知能指数(IQ)が高い、頭脳明晰な人をイメージします。しかし、それではあまりに視野が狭く、限定され過ぎています。
東大生は全員頭はいいですが、全員が天才か?と言えば、答えは否です。
頭のいい人がみんな偉業をなしているわけでありません。多くの普通の人が様々な功績を残してきました。
「天才=頭のいい人」ではありません。あなたの子供をただ勉強ができる人にしたって、それだけでは何の意味もありません。
- 新しいことを想像できる人
- 意外性を持っている人
- 役に立つアイディアを実現できる人
これらに加えて、周囲や世間に天才だと認められなければなりません。
印象派の代表である画家モネは、当初全く人々に評価されませんでした。今までにない斬新な技法であったにも関わらず、老眼のぼやけた絵だと揶揄されたのです。
天才は周りに評価されて初めて天才になるのです。評価される場があることも天才の条件です。
誰でも天才になれるのか?
子供が人と変わった行動をとると、「君は天才だな!」「将来はきっと○○になるぞ」と茶化して笑ったりします。言った大人はもちろん本気で言ったわけではなく、場を和ませるジョークのようなものです。
事実その子供は天才ではなく、少数派であるだけです。「変わっている」とも言いかえられます。
よくある自己啓発本には「誰もが天才である。才能がある。」と耳障りのいい言葉が並んでいます。それで勇気づけられたり、行動するきっかけにするのはいいのですが、同時に誤解も与えてしまっています。
あなたもすでに気づいていると思います。誰もが天才なら、もはや誰も天才ではないことに。
天才は遺伝するのか?
イギリスの科学者ゴルトンは「遺伝的天才」という説を唱えています。
その根拠として
- 天才の多い家系と少ない家系がある
- 移民の国は多くの有益な血が混ざるから発展しやすい
と彼は著書の中で説明しています。
しかしゴルトンの説は間違いです。「天才遺伝子は存在しない」というのが、現在の常識です。
髪の色や背の高さなどの身体的特徴は遺伝しますが、いわゆる才能というものは親から遺伝しても、せいぜい10~20%程度というのが心理学者の見積もりです。
つまり、親が勉強ができても子供には遺伝しない、親が音痴でも子供には遺伝しない、親がスポーツ万能でも子供には遺伝しない、ということです。
天才はつくられる
何事も1万時間習熟すれば、習得できるとよくいいます。1万時間といえば、1日9時間を毎日続けて3年かかります。
それだけの時間1つのものに打ち込めば、誰だって目に見える成果が出るというものです。問題はそれだけの努力を信じてできるのかどうかです。
やれば誰でもできるが、やり続けられる人はごくわずかであり、それゆえに天才と呼ばれるのです。エジソンの「99%の努力と1%のひらめき」という言葉は正しいようです。
「どのくらい努力すればいいのか?」の問いの答えとして、「最低でも1万時間(3年)は続けろ」と答える人がいますが、正しくは「できるまで」です。
子供の意識の問題
子供を天才に育てるのは子供自身です。いくら親や周りがお膳立てしても、子供に努力する意思がなければ意味がありません。
心理学者ゲーリー・マクファーソンの調査
楽器を習っている子供たちに、楽器をいつまで続けるつもりか?練習量・上達ぶりを評価しました。
結果、1番上達したのは、練習量でも才能でもなく、どれだけ長期的に楽器を続けるつもりだったかによったのです。短期想定のほうが練習量が多くても、長期想定の子供のほうが上達したのです。
加え、長期想定の子供が練習量を増やした場合、伸び率は4倍にもなったと言います。
- 無理矢理やらせない
- 長く続けるつもりでいる
- 将来から逆算して、今やるべきことが分かっている
天才を育てる環境とは
ある天才が子供のころ、こういう環境で育ったとか、この塾に通っていたとか見聞きします。あなたの子供を同じ環境におけば、同じように天才になるのでしょうか?違うということは分かると思います。
人それぞれ熱量が違う、精神が違う、個性が違うからです。
つまり、天才を育てる環境というものはないのです。意図して作り出せないもので、結果的に天才がいた環境があっただけなのです。子供たちを同じ環境において、全員が天才になるなんて、あり得ないのです。
親にできること
今まで子供が天才になるかどうかは、子供自身の意志・努力によると話してきました。しかし、自分の将来を見据え、高い意識を持った子供なんて、そうそういません。
親にできることは少ないのです。
- 評価されるタイミングをはかること
- 評価されつ機会を増やすこと
まとめ
親は子供を天才に育てたいと思うものです。しかし、親にできることは子供を信じること、子供の努力を手伝う・環境を整えることしかありません。
以上、「子供を天才に育てる方法|頭がいいは遺伝しない・つくられるものだ」でした。
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