2018年9月、文部科学省が全国の教育委員会に「置き勉を認める」通知を出す、と発表されました。
特に小学生低学年にとって、ランドセルや教科書などの荷物が重すぎると指摘されてから、やっとの対応です。これでやっと置き勉が、正式に認められることになります。
また置き勉解禁とともに、新たな問題も起こると予測れます。
当記事では、置き勉のメリットとデメリットに対する対策をお話しします。
目次
そもそも置き勉って何でダメだったの?
リコーダーや書道道具なども含まれる
今まで置き勉について、公式なルールは決められていませんでした。
そのため、各学校の判断に任せられていて、禁止している学校も多くありました。
学校が置き勉禁止の理由
- 自宅学習を促すため
- 盗難・いたずら防止のため
重すぎる荷物が問題に
子供が背負う荷物は、体重の10%以内が推奨されています。
小1女子の平均体重が20キロなので、7.7キロは完全にオーバーです。自分の体重の3分の1もの荷物を背負って、毎日20~30分歩いているのです。
大人で例えると、15キロの荷物を背負っているのと、同じ感覚です。15キロって山登りの装備じゃないんだから…。
5キロの米を買って運ぶのって、大人でも大変なのに。毎日7.7キロは、、やはり重すぎます。
ランドセルが重い
教科書のサイズに合わせて、ランドセルも大きくなっていきました。本革か人口皮で、重さに500グラムぐらいの違いが出てきます。
軽いランドセルの選び方
- 重さ自体が軽いこと
- 背中に隙間ができないこと
背中に隙間が空いていると、中身の重さで重心が後ろに持っていかれるため、実際の重さ以上に重く感じてしまいます。肩や腰に負担がかかります。
教科書が重い
40年前 990グラム
現行版 2150グラム
昔と今では、2倍以上重くなっています。
主な原因
- サイズアップ(最大A4サイズ)
- ページ数の増加
- カラーページの増加
教科書だけじゃない持ち物
- 体操着
- 水筒
- 習字道具
- リコーダー
- 鍵盤ハーモニカ
- 辞書
- 女子にありがちな大きな筆箱
置き勉のメリット
体への負担が減ります。
- 腰痛・肩こりの解消
- 通学での体力消耗の軽減
- 両手が空くことで、けが・事故の危険を減らせる
さらに少し大げさでですが、置き勉をすることで、自己決定・取捨選択をできるようになります。
- 何を持ち帰り、何を置いて帰るのかを、自分で決めること
- 自分で持ち帰れる荷物の量を考えること
特に小学生は、先生に言われたことを素直に聞きがちです。いいことでもあるのですが、自分で考え、実行する力を付けることも大切です。
置き勉のデメリット
置き勉が解禁されると、様々な問題が予想されます。
- 置く場所がない
- 盗難・いたずら
置き勉どこに置く?
考えられる置き場所は、机かロッカーです。
- 机…入りきらない(道具箱が半分占領している)
- ロッカー…入りきらない(ランドセル・鍵盤ハーモニカが占領している)
机やロッカーは、置き勉するスペースはありません。
工夫と手間が必要です。
- 学校にいるときは、全ての教科書をランドセルに詰め、ロッカーにしまう。帰るときは、ランドセルから置き勉する教科書を出して、机やロッカーにしまう。
- 机の横の荷物掛けに、丈夫なカバンをかけて、置き勉入れにする。
- 椅子の背もたれに、専用の荷物入れを設置する。
盗難・いたずら対策
- 理想は鍵付きのロッカーですが、学校が新たに用意するのは期待できません。
- 教室に鍵をかけてもらう。先生の負担を考えると、できる学校と、できない学校があるでしょう。
- 自分のものは自分で守る。鍵付きの箱・カバンを用意する。
今後の課題
置き勉をするために自分で対策をしなければいけません。
置き勉しやすい環境づくり
- 置き場所の確保
- 鍵付きロッカーの設置
- 教室の施錠
荷物を減らす工夫
- 教科書の電子化
- 電子辞書の解禁
- 大きなもの(朝顔の鉢など)を親の車で持って帰る許可
日本の学校は、子供とはこういうものだという押し付けや、今までこうしてきたという慣例に縛られ過ぎです。禁止するばかりではなく、これからは子供のことをちゃんと考えてほしいです。
以上、「置き勉解禁|盗難対策も必要か?置き勉のメリット・デメリット」でした。
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