低気圧が近づくと、頭が痛くなる、だるいなどの体調不良がある方へ。
このような症状のある人は、全国に1000万人いると言われています。症状も様々で、ひどい人は動くこともままならないほどです。
このような天気が原因で引き起こされる体調不良は「気象病」と呼ばれています。しかし世間の認知度は低く、なかなか理解してもらえません。決して「気のせい」ではなく、本人の「やる気の問題」でもないことを知ってほしいです。
また気象病は研究途中で治療法も確立されていません。そのため現れた症状に対する対処しかできません。頭痛には頭痛薬を、だるさには風邪薬を、といった具合です。気象病そのものを治す治療法はありません。
この記事では体調不良が起こらなくなる対策法を提案します。もちろん必ず効果がある保証はありません。記事を読んで、試してみようと思ったら、是非やってみてください。
目次
症状は人それぞれ
気象病の症状は人によって異なります。主な症状は以下のものがあります。
- 頭痛
- 眠気
- 吐き気
- だるさ
- ボーっとする
- めまい
- イライラする
- 息苦しい
- 動けない
症状のひどい人は起き上がるのもつらく、低気圧が近づくと何もできなくなります。
いつ症状は現れる?
気圧が激しく変化するとき、特に気圧が急激に低下するとき、症状が現れる人が多いです。
- 低気圧が通過する春・秋・梅雨
- 台風が近づく晩夏~秋
- 夏の局地的大雨(ゲリラ豪雨)
低気圧や台風が近づくと、気圧が急激に下がります。
ゲリラ豪雨は局地的に積乱雲が発生し、雨を降らせます。積乱雲が発生するときに、上昇気流が起こり、まわりの気圧を下げます。
気象病の原因は?
気象病の原因ははっきり分かっていません。気圧の変化が体に何らかの影響を与えていることは確かですが、詳しくはまだ確認されていません。
考えられる原因は以下のものがあります。
交感神経のみだれ
気圧が変化すると、人はストレスを感じ、自律神経がみだれるのでは?という考えです。自律神経は交感神経と副交感神経から成ります。
- 交感神経……血管を縮小させ、心拍数を上げ、興奮させる
- 副交感神経…血管を広げ、体をリラックスさせる
2つの神経がバランスをとっているのが、正常な状態です。
自律神経は気圧が変化しても、体内の環境を一定に保とうとします。しかし「急激に変化すると、自律神経の対応が追いつかなくなる」というものです。
耳が敏感すぎる
気圧は耳で感じます。「内耳」という鼓膜の奥にあるカタツムリのような器官に、気圧の変化を感じるセンサーがあります。このセンサーが敏感すぎるのが、原因ではないかと言われています。
飛行機に乗っても平気なのはなぜ?
気象病の症状は気圧が急激に変化すると起こります。しかし気圧の変化は飛行機に乗っていても起こります。
飛行機は離陸すると、数十分のうちに高度1万メートルに達します。気圧の低い高所にいるのも関わらず、私たちが平気なのはなぜでしょう?
飛行機には「与圧装置」という機内の気圧を一定に保つ装置が備わっているためです。
この与圧装置を使えば、家の中でも快適に過ごせるのではないか?と考えたんですが、与圧装置は業務用しか販売されていません。残念ながら家庭向けには売っていないようです。値段も40~50万するので、個人で買うには高すぎます。
気圧をあやつるのは難しそうなので、別の方法を考えてみます。
気象病と高山病は似ている?
高山病は標高の高い山に登ると起こります。その症状は頭痛、吐き気、だるさなど、気象病と似ています。
高山病は気象病と違い、原因がはっきりしています。低気圧・低酸素です。気象病の原因で低気圧は言われていましたが、低酸素が原因かもしれないとは想像していませんでした。
でも低気圧の仕組みを考えると、低気圧と低酸素はセットなのです。
気圧が下がると、上昇気流が発生します。すると土地表付近の空気が薄くなります。薄くなったと言っても、息苦しさを感じるほどではないので感覚としては何も感じません。空気中の酸素濃度が下がっている状態です。
低酸素が原因で酸欠状態となり、頭痛や吐き気などの症状が出ているのではないか?
というわけで、酸素吸入をやってみました。
酸素ボンベで直接吸うのですが、結果は効果抜群です。体の中にあるモヤが晴れたような感覚です。
しかし効果が短いのが欠点です。吸っている間はいいのですが、吸ったあと数分経つと効果が切れてしまいます。
いいと思ったのですが、残念です。ただ酸素が効果あると分かりました。
高濃度酸素発生器を使ってみる
高濃度酸素発生器というものをご存知ですか?これは濃度の高い空気を発生させる家電です。
高濃度の酸素を体内に取り入れることにより、体の調子を整えたり、スッキリさせる効果があります。美容家電で治療専用のものではありませんあ、公式によるとペットの治療にも使えるとのことでした。
高濃度酸素発生器は、2つのタイプがあります。吸入タイプと置き型タイプです。
吸入タイプ
本体から伸びたチューブを通して、直接酸素を吸入します。鼻に直接チューブを挿入するものや、ヘッドセットのような専用の器具を耳にかけ、鼻の前に酸素を吹きかけるものもあります。
吸入タイプのメリットは、高濃度の酸素を直接吸うことで、効果が高いことです。デメリットは酸素吸引中、機械の前から動けないことです。
置き型タイプ
高濃度の酸素を空気中に放出するものです。空気清浄機のように部屋の中全体に効果が見込めます。ただ吸入と比べると、体内に取り込める酸素の量は少なくなります。
デメリット
デメリットは、家でしか使えないことです。
休日家で過ごしているときはいいですが、仕事で出かけるときは使えません。
デスクワーク中心の仕事なら、会社に持ち込んで使えなくはありません。ヘッドセットと鼻チューブを使って、顔の前に酸素を放出させることもできますが、現実的ではないですね。
それでも、家にいる間だけでも、快適に過ごしたいのなら、利用して損はないのではないでしょうか。
まとめ
低気圧が通過したときの気圧は、標高600メートルの気圧と同じです。
普段の大気中の酸素量を100としたとき、山に登った30%の人が高山病になるときの酸素濃度は85です。対して、低気圧が通過したときの酸素量は95です。
このわずかな差が体調不良の原因になるとは考えられないという学者もいます。
体調不良が低気圧のせいか、低酸素のせいかは分かりませんが、酸素を取り込むことで体調が回復する事例があるのは確かです。
頭痛や吐き気がなくなったときの、世界が変わる感覚を味わってみてください。
以上、「低気圧が原因で起こる体調不良は気象病?」でした。
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