素の自分を出さないで、人と付き合うのは苦痛でしかありません。
世の中には素の自分を出す方法、コミュ術などの本があふれています。しかしコミュニケーション能力は、練習や訓練で鍛えられるものではありません。
それこそ上辺だけのコミュニケーションで、本音で付き合うのとは真逆です。「誰とでも素の自分でいられること」が、あなたが一番楽でいられるのです。
しかし「素を出すと嫌われるのではないか?」という不安は、常についてまわります。だからつい周りの空気を読み、相手に好かれようとしてしまいます。
よく考えてみてください。「素の自分」と「素を隠している自分」どちらが人に好かれますか?嫌われないために素を隠しているのに、その労力に見合うほど人に好かれていると言えますか?
「素の自分」は人に嫌われると思い込んでいませんか?
「素を出して嫌われたほうが楽になる」「嫌われたっていい」という心持ちのほうが案外うまくいくものです。難しいテクニックはいりません。
「嫌われてもいい」という考えで行動することは、すごく勇気のいることです。しかし勇気さえ出せば、楽な人間関係を作ることは簡単です。
もう一度、自分が楽になる人間関係を作ってみましょう。
目次
初対面で素を出すメリット
人は会って数十秒で、相手の印象を決めてしまうといわれます。だから私たちは印象を良くしようと、自分を取り繕ってしまうのです。
しかし長く付き合ううちに、第一印象では見えなかったその人の性格や人となりが見えてきます。このとき第一印象とギャップがあったら、相手はどう思うでしょう?
「第一印象は良かったのに」「思ってた人と違った」と思われかねません。そう思われるのが嫌で、自分が作った第一印象を守ろうと、なおさら素が出せなくなるということがあります。
最初から素を出していれば、途中で印象が変わることはありません。あなたという人間に一貫性が出てくるのです。裏表がないという印象は、安心感を与えることができます。
人や場面によって、態度を変える人は信用できませんから。
素の自分とは
あなたが素の自分でいられる相手といえば、家族でしょう。
家族と会話するとき、あなたは何も考えていないし、>気も使っていないはずです。
素が出せない相手と会話するとき、何を考えていますか?
例えば「休みの日何してるの?」と聞かれたとします。素直に答えたらつまらない人間だと思われるかもしれない。会話を続けなくては…と考えて、素の答えができなくなってしまいます。
色々と考えすぎなのです。
素でいるためには、答えを考えてはいけません。思ったことをそのまま口にするのです。
素を出したら嫌われる?
素を出したら嫌われるのではないか?と不安になります。このときの心理は、
- 好かれたい
- 嫌われたくない
- 変な人と思われたくない
です。しかし素でいる人は、嫌われることはありません。たとえ見せる素がどんなものであってもです。
素の状態は人によって違いますが、共通して分かりやすく、誠実です。素でいる人は相手や状況によって態度を変えないので、言動に一貫性があります。
あの人は「こういう人だから」というのが、周知されているのです。自分の気持ちにうそをつかないというのは、ある意味誠実であり、うそをつかない人だと周りの人も分かっています。
最初は「わがまま」「空気を読まない」と思われるかもしれませんが、言動がぶれないことは次第に人に好感を持たせます。態度を変えない、変わらないというのは、安定・信頼の感覚を与えるからです。
この人と話すとなぜか緊張しないという人がいます。それは相手が素で話しているからです。そんな相手を嫌いになることはないでしょう?
素でいることで完璧な人間関係を捨てることになりますが、そのほうがずっと楽に過ごせます。
ステップ①これでいいのだ!
いきなり勇気を出して、素を出してみようとしても無理です。ゆっくりとステップを踏んでいきましょう。
いつまで経っても素が出せない人に共通するのは、「自分に自信がない」ことです。「自分に自信がない」「自分が好きではない」という思いが強くあります。こんな自分を他人が好きになってくれるはずがないと思い込んでいます。
まずは自分に自信をつけることから始めましょう。
人間関係で後悔することがあっても、「大丈夫」「これでいいんだ」と自分に言い聞かせます。自分のメンタルを強くする作業です。素を出しても大丈夫だというくらい続けます。
自分で自分を認めてあげるのです。これが素を出せるようになる第一歩です。
ステップ②相手を品定めしない
初対面で人は相手を、見た目や言動で評価します。
相手がどんな人なのか評価が定まるまでの間、お互いに品定めをし合います。この間は相手の反応をうかがい、会話はよそよそしくなります。とても居心地が悪いです。
素の自分でいるためには、相手を品定めしないことです。相手がどんな人でも構わない、大きな心持ちでいましょう。
そして自分も相手にどう評価されても、気にしない気持ちを持つことです。
あなたのそういった素の状態は、相手にも伝わります。話しやすいリラックスした会話ができるようになります。話しやすい人だと相手に思われ、いい好循環が生まれます。
ステップ③距離感の測り方
いきなり相手と親しげに話してもいいのか、相手との距離感を測るのは難しいです。
多くの人は馴れ馴れしくし過ぎず、引き過ぎない、ちょうどいい距離を目指しています。しかし距離感は人それぞれ違うので、距離を測るのが難しくなります。
素の人はどうやって相手との距離を測っているのでしょうか?
正解は何も考えていない、相手に任せているのです。
自ら相手のちょうどいい距離を測ったりしません。自分が話したいときに話し、話したくないときは話しません。
また相手が話しかけてくれば話すし、黙っていればこちらも黙っています。
自分も相手も気負いしない楽な距離感を保っています。
ステップ④あるがままでいい
あるがままというのは、わがままとは違います。「わがまま」は自分の意見を通そうとしますが、「あるがまま」は周りの意見をそのまま受け入れます。
日々起こる良いこと悪いことに対し、感情的にならず、動揺しません。テレビで報じられる芸能人や政治家の話題に、いちいち怒ったりしては疲れるだけですし、時間の無駄です。
物事に善悪をつけない、事実をあるがまま受け入れます。「どうでもいい」ではなく「どっちでもいい」の感覚です。
相手の話を聞いて、どっちにも転がれる柔軟な自分でいましょう。
コツ①話をよく聞く
ここからは素の自分を出すためのコツを紹介します。
まず相手の話をよく聞くことです。聞きながら、なんて返そうか考えてはいけません。考えていると話を聞くのがおろそかになり、それは相手に伝わります。
話をよく聞き、相手に合わせることなく自分の思ったことを言葉にするように心がけましょう。
コツ②反省しない
「あの時あんなこと言わなきゃよかった」「もっとこう言えば良かった」と一人反省会をしてしまう人がいます。
しかしほとんどの場合が取り越し苦労で、相手は気にもしていないことも多いです。いらぬ心配なのです。
なのに過ぎたことをくよくよと考えていては時間の無駄です。過去は変えられないのですから、未来のことを考えるべきです。
次会った時「この前はごめんね」と言えばいいだけです。謝るほどのことでなければ、もう気にしないことです。
コツ③一人を怖がらない
「明日○○行かない?」と誘われたとき、行きたくないと思っても無理して付き合っていませんか?
仲間から外れたくないという不安がある人付き合いは辛いだけです。そのような人間関係はすっぱりと切ってしまったほうが楽になります。
SNSでも同じで、人の反応を気にするならやめましょう。
コツ④自分主体の考えをやめる
人と話すとき、自分がどう思われるのか考えるのをやめましょう。
人に嫌われてもいいんです。あなたを嫌う人はあなたの前から去っていき、あなたを好きな人だけが残ります。全ての人と仲良くなる必要はありません。
出来るなら自分ではなく、他人主体に考え方を変えるといいです。相手がどうしたら喜ぶかを考えるのです。
素の自分に加え、相手のことを考えられたら、あなたの人間関係はもっとよくなります。
まとめ
みんなに好かれようとするから、素を出せないコミュニケーションになります。全ての人に好かれなくてもいいと思えば、素が出せるようになり、結果的に人に好かれるようになります。
「嫌われてもいい」と思ったほうが「好かれる」結果になるのです。
あなたも楽な人間関係を始めてみましょう。
以上、「初対面で「素を出して嫌われる」ほうがまし!楽になるコミュニケーション術」でした。
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