「肛門周囲膿瘍」「痔ろう」って、ご存知ですか?
肛門近くの毛穴にばい菌が入り、炎症を起こし、赤く腫れるのが「肛門周囲膿瘍」です。大腸の内側からばい菌が入り、炎症を起こし、膿が出るのが「痔ろう」です。
大人でも起こる、これらの症状は、痔の一種です。
赤ちゃんはおしっこやうんちの回数が多く、オムツをしているので、赤ちゃんによっては何度も再発してしまいます。
私の息子は生まれてから半年の間に、肛門周囲膿瘍と痔ろうを発症しました。そのときの体験談をお話します。
目次
始まりはおしりの腫れ
息子が生まれて、1か月も経たない頃でした。
おむつ替えのときに、肛門の横あたりにしこりのような固くなっている部分がありました。肌も少し赤くなっている気がしました。
「あー。これがオムツかぶれってやつか…」
そう思った私は、あまり気にしていませんでした。3日後に1ヶ月検診の予約をしていたこともあり、そのときに見てもらおうと考えていました。
3日後、1ヶ月健診当日。
おしりの腫れは2センチほどに大きくなり、中心が白くなっていました。
検診のお医者さんに診てもらうと、ここじゃ見れないからと市立の小児外科を紹介されました。
(え?そんなに大げさなことだったの?)
市立の小児外科へ
次の日、書いてもらった紹介状を持って、市立の小児外科へとやってきました。
余談ですが、大きい病院には紹介状がないと、特別料金をとられます。大きい病院に患者が集中するのを防ぐ、負担を減らすために決められた措置です。
特別料金の額は病院側が決めてよく、高いところでは、5000円以上なんてところもあります。私が行った市立の病院も「紹介状がない方は2000円」と入口に大きく書いてありました。
話を元に戻します。市立に小児外科の先生は優しそうな先生でした。緊張の中、安心しました。
息子のおしりの腫れは「肛門周囲膿瘍」と診断されました。
肛門近くの毛穴からばい菌が入ることでおこる炎症です。治療法はとにかく膿を出すことだそうです。
ここでお医者さん「切りますか?切りませんか?」と聞いてきました。
え、切る?そんなこと聞かれても…分からん
生まれたばかりで肌を傷つけるなんて…とよく分からないことを考えていましたが、結局切らずに、指でつぶして膿を出すことにしました。
息子はギャン泣きでしたが、膿を出されたあと、すぐに腫れはなくなりました。
肛門周囲膿瘍は再発が多いそうです。再発を防ぐには、とにかくおしりを清潔に保つことが唯一できることです。
看護師さんに「おしりシャワー」というものを教えてもらいました。
おしりふきできれいに拭き上げただけでは、目に見えない汚れが残っていることがあるそうです。オムツを変えるたびに、霧吹きでおしりに水を吹きかけ洗い流します。
そして、アズノールという塗り薬を処方されました。
抗炎症作用、傷が治るのを助ける効果があります。湿疹ややけどに用いられる薬で、オムツかぶれでも処方される薬です。
この薬をおむつ替えのたびに塗ります。
おしりシャワーをうまくするコツ
教えてもらったおしりシャワーは、やってみると結構難しいです。
オムツを開けて、汚れたオムツを下に敷いたままおしりシャワーすれば、下の服が濡れないとのことでした。が、私がやると、どうもうまくいきません。
足を持って、おしりシャワーをすると、背中を伝って服が濡れてしまいます。足を持ち上げすぎると失敗します。かといって足を持ち上げないと、きれいにできないので難しいところです。
何度かやってみて私がいいと思った方法は、防水シートを使うことでした。
おしりをきれいに拭いて、汚れたオムツを外します。おしりの下に防水シートを敷いて、おしりシャワーをすれば服は濡れません。重宝しました。
冬場だったので、さすがに水をおしりにかけるのはかわいそうなので、お湯を常備していました。
お湯を沸かして保温水筒に入れておき、使うときに水と混ぜてちょうどいい温度にします。正直ちょっと手間です。
特に出掛けたときは、荷物が多くなって不便です。でも世の中には便利な商品があるものです。
まさかの再発?
おしりシャワーのあと、処方された塗り薬を塗っておしりをきれいに保っていました。
膿は1回では出しきれないので、2~3日後には、また膿がたまり始めます。その度につぶして膿を出すを繰り返していました。
それが1ヶ月くらい続きました。だんだん膿が少なくなってきたと思っていたある日。
もう一つしこりのようなものがあるのを発見しました。これは以前見た腫れる前の症状だとすぐ分かりました。
こんなに気を付けていたのに、再発…。しかし対処法は分かっています。なので、病院へは行きませんでした。3日後、同じように膿がたまり腫れてきました。
ヨシっと意気揚々膿をつぶしにかかりますが、うまくつぶれない…と思ったら、おしりの穴から何やら出てきました。
最初はうんちかと思ったけど、よく見ると膿でした。膿がおしりから出てきたんです。
びっくりした私はすぐに病院に電話しました。
痔ろうって何?
時間外だったこともあり、同じ市立病院の時間外受付に行きました。診断の結果、「痔ろう」と言われました。
「痔ろう」とは、大腸の内側からばい菌が入り膿がたまり、おしりのほうへ穴が貫通する病気、いわゆる痔の一種だそうです。
0歳児で痔って…。しかも内側からとか、いくらおしりシャワーしても、防げねーじゃん。
このときの担当の先生の判断ははやかった。「切ります」と一言。息子は生後4か月にして、ケツを切られました。
痔ろうは大人の場合、穴は自然に塞がることはないらしく、完治には結構大掛かりな手術が必要です。ですが1歳未満の痔ろう(小児痔ろうと言うらしい)は、自然治癒が可能です。0歳児は体の成長の幅が大きいためです。
痔ろうのほうも同じように、膿を出しておしりをきれいにするを続けました。
1か月後、もう一度病院で見てもらいました。肛門周囲膿瘍の跡は対処を間違えたニキビ跡みたいになってました。痔ろうのほうは切ったおかげか、もう跡は分からなくなっていました。
無事完治のお墨付きをもらいました。
とは言え1歳までは再発の可能性があるので、引き続きおしりシャワーは続けました。
肛門周囲膿瘍・痔ろうのその後
無事1歳を過ぎた息子は、その後も再発はありませんでした。
肛門周囲膿瘍・痔ろうはなりやすい子に特徴があるのか調べてみたんですが、肌が弱いとかは関係なさそうです。息子は痔にはなっても、オムツかぶれや汗疹とは無縁でした。
おしりをきれいにしていなかったからも関係ないです。言ってしまえば、個性です。
どんなにおしりを汚くしていても痔にならない子はならないし、逆にどんなにきれいにしていてもなる子はなるんです。
以上、「あかちゃんの肛門周囲膿瘍・痔ろうの体験談」でした。
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